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かし保険全般に関するご質問
建築基準法では、建築物の基礎について地盤の沈下または変形に対して構造耐力上安全なものとすることを求めており、地盤の許容応力度に応じた基礎構造を建築基準法施行令第38条第3項及び第4項の規定に基づく平成12年建設省告示第1347号により、許容応力度の測定方法(地盤調査の方法)を建築基準法施行令第93条の規定に基づく平成13年国土交通省告示第1113号においてそれぞれ規定されているためです。
住宅瑕疵担保責任保険では、加入する住宅の要件として保険法人が定める設計施工基準(各法人で共通)を満たした住宅であることとしており、設計施工基準では建築基準法を遵守することを求めています。住宅瑕疵担保責任保険の申し込みにあたっては、適切に地盤の安全性の判断がなされていることを確認するため、地盤調査報告書またはこれに代わる書類の提出を求めています。
地盤調査結果(報告書)の有効期限は特に設けられていません。
ただし、地盤調査後に、当該敷地及びその周辺において地盤に影響を与えるような擁壁工事や切盛造成工事等が行われていないことの確認が必要です。
調査方法については、国土交通省告示1113号に定めるボーリング調査や物理探査(表面波探査法)などのほか、スウェーデン式サウンディング(SWS)試験など、地盤の許容応力度や軟弱地盤の有無・厚みが判断できる方法を用いてください。なお、SWS試験にて自沈する層が存在する場合や液状化するおそれがあると判断される場合には、地盤の沈下や変形によって、建築物に有害な沈下等が生じないことを確かめる必要があります。
原則、スウェーデン式サウンディング(SWS)試験で調査を行う場合は建築物の四隅付近含めた4点以上の調査をすることとされていますが、一団の造成(分譲)宅地において、その宅地の地盤の許容応力度が一様(バラツキがない、傾斜していない)と判断できる場合には、敷地ごとの調査箇所を4点未満とすることが可能です。
原則、スウェーデン式サウンディング(SWS)試験以外の方法で調査行う場合も建築物の四隅付近を含めた4点以上を行って下さい。
ただし、下記に該当する場合は4点未満とすることが可能です。詳細は保険を申し込む保険法人へお問い合わせください。
- ①近隣で行われた地盤調査データや地形図等により、当該敷地の地層が平行層であると推定でき、4点未満の結果から敷地全体の状況が推測できる場合。
- ②基礎(場所打ち杭、ラップルコンクリート含む)又は小口径杭補強(鋼管等)が良好な層(支持層)まで達する設計であり、施工時に支持層確認(土質の目視確認等)を行い、設計時に想定していた支持層が不均一な場合でも、施工時に微調整が可能である場合。
- ③既製杭工法等を用いる場合において、プレボーリング時、杭打設時又は杭打設後に、杭ごとに許容支持力又は地盤の許容応力度を測定・確認(オーガーのトルク管理、杭打設時のリバウンド量の測定、杭頭での載荷試験など)を行い、設計時に想定していた支持層が不均一な場合でも、施工時に微調整が可能である場合。
- ④大臣認定等(国交大臣認定に係る「性能評価」、(財)日本建築センターによる「建設技術審査証明」、(財)日本建築総合試験所による「建築技術性能証明」等)を取得している杭・地盤改良工法を用い、それぞれの仕様通りの施工を行った場合。
許容応力度以外にも軟弱地盤の有無・厚みが判断できる必要があります。保険を申し込む保険法人へお問い合わせください。
原則は地盤調査を実施する必要がありますが、階数2階建て以下の木造戸建住宅で「現地調査チェックシート」(※)に従って行った現地調査の結果 地盤調査が必要ないと判断できる場合には、「現地調査チェックシート」(※)を「地盤調査報告書(考察を含む)」の代わりに提出することが可能です。
※現地調査チェックシートは各保険法人ごとの様式がありますので、利用する場合は保険を申し込む保険法人へお問い合わせください。
地盤改良工法として採用されることが多い3つの工法について、設計施工基準においてその取扱いを明確にしています。その他の工法についても、地盤調査の結果や地形などについての総合的な配慮の結果により必要とされる性能(許容応力度、圧密沈下対策 等)を満たしていれば用いることは可能です。用いることが可能な工法については保険を申し込む保険法人へお問い合わせください。
また、発注者へはどのように説明すれば良いですか?
地盤改良が必要であるにもかかわらず、発注者の予算の都合のみにより地盤改良を行わずに住宅瑕疵担保責任保険に加入することはできません。
ただし、住宅事業者または住宅の設計者がQ11からQ13までの回答に記載されている方法によって地盤改良が不要であると判断した根拠を記載した考察を提出していただくことで、住宅瑕疵担保責任保険の加入が可能な場合があります。
また、発注者に対し、地盤の状況の説明や改良工事を行った場合のメリット、改良工事を行わなかった場合のリスクおよび各種改良方法の比較(費用・用途・効果など)について十分に説明することも必要です。
地盤改良の要否については「地盤調査結果の考察(地盤改良の要否とその理由を記した書面)」又は「基礎設計のためのチェックシート(※)の判定」を用いて判断することとされています。
なお、地盤調査結果の考察は、一般的には当該敷地の地盤調査実施者が行っていますが、設計者や当該敷地の地盤調査を行っていない地盤調査会社等の専門家が行うことも可能です。ただし、考察は地盤の状況を十分に把握し「許容支持力」と「即時沈下」「圧密沈下」に対して記述したものに限ります。なお、SWS試験にて自沈する層が存在する場合や液状化するおそれがあると判断される場合には、地盤の沈下や変形によって、建築物に有害な沈下等が生じないことを確かめる必要があります。
※基礎設計のためのチェックシートは各保険法人ごとの様式がありますので、利用する場合は保険を申し込む保険法人へお問い合わせください。
<考察作成者の例>
- ①地盤調査会社による「地盤調査結果報告書」記載の考察
- ②基礎設計のためのチェックシートの判定
- ③設計者、その他の地盤調査・改良会社等による専門家の考察
「基礎設計のためのチェックシート」(※)の記載により、原則として設計者又は建築士等の考察とすることができます。ただし、スウェーデン式サウンディング(SWS)試験を実施した2階建て以下の一戸建て木造住宅に限るものとされています。
また、このシートで当てはまらない項目がある場合には、別途、設計者又は建築士等の考察を提出してください。
※基礎設計のためのチェックシートは各保険法人ごとの様式がありますので、利用する場合は保険を申し込む保険法人へお問い合わせください。
考察は、一般的に「許容支持力」と「即時沈下」「圧密沈下」に対する検討を行い、それを客観的に示して記述いただく必要があります。「平 13 国交告第 1113 号第1」および「平 12 建告第 1347 号第2」等の告示を参考に地盤改良の要否を調査結果のデータを基に適切に判断いただくことが必要です。
「土地の沈下」や「土地の軟弱化」は、一つひとつの住宅の基礎の設計に、直接関わらないような事象を指します。例えば、広範囲での造成工事や近隣の土木工事の影響、自然災害や広い範囲での地殻変動による地盤の変動などは“基礎の瑕疵”には該当せず、免責事項とされています。
住宅の建築された地盤が不均一に沈下する現象を「不同沈下」といいます。不同沈下が発生すると住宅が傾き、窓や戸が開閉できない、排水が流れないなど生活に支障をきたす可能性があるほか、ゆがみ等に起因して住宅の耐力性能に影響を与える可能性があります。
<不同沈下の要因として代表的なもの>
1.地耐力の不足
- ①住宅の重量に対して、地盤が軟弱な場合(支持力の不足)に沈下することがあります。
- ②盛土をしている場合で、盛土の下の地盤が軟らかいと盛土の荷重で沈下することがあります。
- ③近隣の盛土造成により、周辺の地盤も引きずられて沈下することがあります。
2.地盤のバランスが悪い場合
敷地内で掘削・埋め戻しなどが行なわれている場合、埋め戻し部分の土の収縮により沈下することがあります。
3.地盤改良の施工が不十分である場合
改良体の硬化不良や杭の長さ不足などがあると沈下の原因となりえます。
4.その他、大雨や地震などによる地盤の変化によるもの
建築する敷地の形状、履歴、周辺の土地の状況などにも注意し、適切な基礎の設計施工を行う必要があります。